書の旅in福島〜飯舘村編 (33/59市町村)〜
11月旅最終日は、飯舘村(いいたてむら)を歩きました。
早朝、相馬市の宿から車を走らせ飯舘村へと向かっていくと、
先日大きな被害を受けた台風19号の爪痕で通行止めになっている箇所がいくつかありました。
迂回路を通り飯舘村に入ると、道端に放射線測定器を見つけました。
村の方々が一目で分かり安心して暮らせるよう、所々に置かれているのが伺えます。
飯舘村は、原発事故で被害を受け一時は避難指示区域に指定されていたものの、
現在では一部を除くほとんどの地域が解除されています。
原発事故の後は、台風被害…
現状を目の当たりにし被害がどれほどのものだったかを想像すると、
もうこれ以上、飯舘村を苦しめないでほしい…と切に願わずにはいられません。
飯舘村で最初に向かったのは、
全国的にも珍しいオオカミを信仰する神社「山津見神社」
神社の中へ入り天井を見上げると、オオカミの天井画が掲げられていました。
龍の天井画はよく目にするけど、オオカミの天井画は初めて見る!
御朱印を頂く際、宮司さんから神社の歴史や、
このあたりの地域のお話を聞かせていただきました。
そしてオオカミも珍しいのですが…
境内になる木が、まるで昇り竜に見えるではありませんか!!
ちょうどいい位置に太陽が昇っていて、かっこいい写真を撮ることができました!
思いのほか、山津見神社でゆっくり過ごしたのでお昼に差し掛かり、
昼食をとりに向かった先は、飯舘村の大人気うどん屋さん「ゑびす庵」さん。
2018年に嵐のメンバー5人が食べに来たことで話題を呼びました!
お昼時の店内は、しばし満席状態が続き・・・・
お昼から福島中央テレビ(FCT)さんが取材・同行してくださることになっていたので、
店内が落ち着くまで、飯舘村を散策することに。
近くにあった丘に登ってみると、見晴らしが良く飯舘村を見渡すことができました。
飯舘村は元々6000人の人が生活を送っていたそうですが、
2011年の避難指示から、2017年の避難解除で戻って来た人は1000人ほどなんだそう。
近くの小学校は休校になっているのか、子供達が見かけられず、
立派で綺麗な校舎だけが寂しそうにこちらを見ているようでした。
三校あるうち、現在は一ヶ所のみに絞られているそう。
こうした現状を自分の目で見ることは初めてだったので、やっぱり本当なんだな、と痛感。
体が冷え切って、そろそろお腹の空きもピークに達したので・・・
待ってもいいから中に入る!と、店内で席を待つことに。
美味しそうな匂いが余計にお腹を空かせます・・・
ようやく席に座れて、「ゑびす庵」さんの看板メニュー
「肉うどん」「五目うどん」を相方さんと分けて注文しました。
肉うどん✩
うまいっ!!!!
お腹を空かせて待った甲斐があります。。。(T o T)b✨
お肉が肉厚で手打ちうどんもコシが強く、食べ応えもボリュームも満点!!
スープも割と濃いめ?で、太めの麺にしっかり絡んでくれます。
でもお店のちよ子さんは「今日は細めの方だよ〜」と仰っていました!!
「これで!?」と思わずツッコミを入れてしまいました(笑)
五目うどん✩
野菜炒めの味付けがされたお野菜がうどんの上にどーーーん!!!
こちらも味が濃いめで、食欲をそそる味!箸がどんどん進んでしまいます。
食後にはお店を営む高橋さんご夫婦に、お話を聞かせていただくことができました。
避難指示後、故郷を惜しみつつも福島市に移動されて営業を続けられたそうですが、
2017年の避難指示解除後は「故郷でゆっくり営業したい」という、
店主 義治さんの強い決意を尊重し飯舘村で営業を再開されたそう。
私が「大変だと思ったことはありますか?」と聞くと、
「ないねえ。好きなこと・当たり前のことをやっているから特に大変だと思ったことはないね。」
という言葉が返って来ました。
福島市で6年営業・生活をしていたら生活基盤もできていたはずですが、
飯舘村に戻ることには、全くの迷いがなかったそう。
それほど、故郷への想いが強かったことが感じられます。
この日、旅を通して分かったのは、
その土地に住んでいる人達は私が思っていたよりも、はるかに明るく元気で、常に前を向かれているということ。
もちろん未だ解決しなければいけない問題は抱えているかもしれない。
それでも、前を向く!今を楽しく生きる!!という想いから
プラスなパワーを逆に私はもらって帰ってきていたことに気がつきました。
きっと、美味しいうどんだけでなく、
この温かい人柄のご夫婦に逢いに来たくて訪れる人も、少なくないのだと思います。
12月旅につづく…