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書の旅in福島〜喜多方市編 (23/59市町村)〜

【書で、人と笑顔をつなぐ旅in福島】
〜喜多方市編(23/59市町村)〜

全国的に有名な”喜多方ラーメン”の聖地、喜多方市を旅して来ました!

喜多方市は蔵のまち、漢字のまちとして知られ、農業も盛んに行われています。

ちなみに喜多方市、かつては“北方”と呼ばれ、江戸時代には物資の集散地として、
また若松城下と米沢を結ぶ街道のまちとして栄えていました。

蔵は特に醸造業や漆器業に最適とされているそうで、喜多方市には今でも4000棟以上の蔵が残されています。

最初に向かったのは、”喜多方蔵の里”さん。

ここでは様々な種類の蔵造りについて知ることができ、
また会津の伝統工芸品や歴史の資料なども観覧することができます。

館スタッフのミキさんに案内をしていただきました。同じ名前だと一気に親近感(^^)♪

ここには、喜多方の有形民族文化財「染型紙 会津型」の現物も保管されています。

喜多方は、伊勢白子・京都・江戸と並ぶ染型紙の産地で、
江戸時代から昭和の初めまで小野寺家五代にわたり製造販売してきました。

小野寺家の蔵に眠っていた約37,000点の会津型は、喜多方市に寄贈されました。

海外からの技術の流入により、
100年以上続いてきた喜多方の染型紙「会津型」の歴史は昭和10年で一旦幕を閉じるも、
現代のデザインや技術により、会津型を使用したエプロンやネクタイなど新たな形として復活し、再注目され始めています。

古典柄、かわいい♪

喜多方蔵の里さん、ありがとうございました!

 

続いて向かったのが、”楽篆工房”さん。

喜多方市が”漢字のまち”となったも、楽篆工房の高橋政巳先生のお力があってのこと。
私が都内で活動していても、「福島出身です」と話すと、「高橋先生はご存知?」と聞かれることが度々あり、
どんな方なのかお会いして話を伺ってみたかったのですが、
残念なことに高橋先生は数年前に永眠されたそうで、お会いすることは叶いませんでした。

今、工房は奥様と娘様で営まれており、奥様に高橋先生のお話を聞かせていただくことができました。

高橋先生の書から、先生がどんなお人柄でどんな方だったのかがすぐ伺えました。

角がなく、優しく、大らかな印象を受けました。

 

 

先生は喜多方市を愛し、晩年まで喜多方市から拠点を移動させることなく
古代文字の持つ魅力と力を活かし、町おこしや子供達への教育まで積極的に活動されていたそう。

喜多方市内のいたるところで、先生の書かれた看板や書が見受けられました。

 

 

高橋先生の書や活動背景を知って、書を通し自分にできることは何かを改めて考えさせられるきっかけとなりました。

お話を聞かせていただいた信子さん、ありがとうございます。

お昼の時間になったので、工房から歩いてすぐの場所にある、
喜多方ラーメン「蔵美(くらよし)」さんに行ってみることに(^^)

あっさりしていながらもしっかりコクがあり、美味しかった!!
あまりお腹が空いていないかも…と思いつつ、早々にペロリと完食。(笑)

続いて車を走らせて20分。喜多方市山都町へ。
福島県有機農業ネットワークの理事長を務められている浅見さんにお会いし、お話を聞かせていただきました。

福島県の農業のみならず、全国的に農業に携わる人口が減って来ているそうで、
今後どのような取り組みをしていくかなど、現在向き合っている課題についてお話してくださいました。

また、私が気になっていたのが震災の風評被害について。
喜多方市でも受けているのが現実ですが、徐々に回復には向かっているそう。

科学的に数字では「安全」と言われていても、心の「安心」は数字では表せない部分。

でも浅見さんのお話や表情からは、決してネガティブに捉えている様子はなく、
震災をきっかけに気づいたことを元に、今後の農業についてどのような活動をしていけば良いかをしっかり見据えているようにさえ伺えました。

お話を伺っていて私が思ったことは、2つ。

一つは、農業に直接携わっていない人でも、日々の食の選択で農業に関わっているということ。

二つは、科学的な数字で改善できない課題は、時間をかけて少しづつ深い根を張り広めていくことが大切だということ。

当たり前のようにスーパーに並んでいる食材を、ただ手にとって買い物をする。
これは、「買う」=「投票する」ということを普段何気なく行っています。

投票すれば、そこの地域や農家さんが潤い、農業が潤う。循環する。

例えば、国産と外国産を買うかで悩んだ時、
値段だけ見れば、確かに外国産と比べると国産はやや高いイメージがあるけれど、
スーパーに陳列するまでの時間やコストを考えれば、国産の方が新鮮でメリットが大きい。

そのようなことを気にせず買い物していたな〜と気づき、食の視点を改善しようと思いました。

浅見さんは農業の課題について、すぐに広く多くの結果を求めるのではなく、
まずは身近なところに視点を置き、目に見える確かな行動を続けていくこと。
そして少しずつネットワークを広げていき、良い循環を作っていくことが大切なことだとお話してくださいました。

 

 

お話を聞かせていただいた後、”棚田”を見せていただけることに!

 

一面、黄金色!

そして空が青く澄み渡り、山のこうまでで見渡せて最高な景色!!✨

浅見さん、本当にありがとうございました!!

お礼に書かせていただいた書は、「食べに来て!福島の美味しいお米 お野菜🌾」

「食」はまさに、言葉や文字では味も香りも伝わらないもの。

だから、食べに来て!

9月の旅も、実りある旅となりました。
10月の福島旅は、福島県の紅葉シーズン🍁あ〜〜どうしよう、今から楽しみっ!!

お楽しみにっ✨

 

◆喜多方蔵の里 さん
https://www.gurutto-aizu.com/detail/index_510.html

◆楽篆工房 さん 公式HP
https://www.rakuten-kobo.jp/

◆喜多方ラーメン蔵美 さん
https://tabelog.com/fukushima/A0706/A070601/7001837/

◆特定非営利活動法人 福島県有機農業ネットワーク さん 公式HP
http://fukushima-yuuki.net/

書家 根本みき